今年2019年春、インターゾーンで新たに「RPA」システムの導入が始まりました。RPAとはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略語で、デスクワークの定型作業をパソコンの中にあるソフトウェア型のロボットが代行し、自動化するというものです。
「RPAは業務効率化のアイデアのひとつに過ぎません。大切なのは、新しいことを取り入れて一人ひとりの意識を変えていくことです」と話すのは、事業開発部の部長である戸張真哉(とばりしんや)さん。今回のRPA導入をけん引した戸張さんに、このシステムとインターゾーンが目指す未来について聞きました!
870時間分の人の作業をカットできる「RPA」とは?
──RPAでは具体的にどのようなことができるようになるのですか。
RPAの基本的な概念は「パソコンを使ったルーティン作業をロボットが代行することで、生産性を上げよう」というものです。インターゾーンの場合、たとえばコールセンターでの顧客管理、営業のクライアント管理、ウェブサービスやクラウドサービスの実績計算などが、人の手によって行われている定型作業です。システムの入力や書類の作成、お客様へのメール対応、ダイレクトメールの印刷依頼など。RPAを使えば、これらをすべて自動化できます。
──するとスピードも速くなるのですか。
ロボットは考えたり悩んだりしないので、人間よりも速いです。また24時間365日、働き続けることが可能です。「シナリオ」と呼ばれる、この場合はこのように処理するというマニュアルをあらかじめ作成して、ロボットに学習させます。シナリオを実行すると、ロボットが勝手にその通りに動いてくれるのです。
現在の具体的な成果としては、2台のパソコンがRPAのために常時稼働しており、ひと月でおよそ480時間分の人の作業をロボットが代行しています。これはフルタイムで働くスタッフの3人分以上ということになります。これからシナリオを増やしていけばさらに増えます。計画では870時間までロボットが代行できる見込みです。
──すごいシステムですね! 導入を決めたのはどんな理由からだったのですか?
もともとの思いとして、インターゾーンに限った話ではなく、世の中全体の人手不足や労働力不足への課題感が私の中にずっとありました。この問題は特に私たちの自動車業界では顕著です。
労働力不足を補うには、ふたつの方法があります。ひとつが業務を外注する「BPO」(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)で、これはインターゾーンのメイン事業のひとつです。そしてふたつ目が「IT」、つまりITの先端技術の活用によって生産性をアップさせることです。
RPAはIT活用のたくさんのアイデアの中のひとつであり、以前から考えていたことでした。事業開発部として、いよいよこの導入に乗り出したわけです。
RPAの一番のメリットは、働く人たちの意識改革
──今までなかった新しいシステムを取り入れるにあたっては、どのように進められたのですか。
RPA導入に向けて動き始めたのは去年の秋で、冬にはシステムのベンダー(提供元)と契約を結びました。運用開始までのステップとして、まずは今現在のインターゾーンの業務の中で、ロボットが代行できるものは何かという検討を行いました。各部署の業務を洗い出して、RPAを活用することでの費用対効果を割り出し、インターゾーンの経営陣に向けてプレゼンをして導入を決定しました。
現在の運用体制としては、シナリオを作成する部隊とシステム開発をする部隊が「実行チーム」として動き、私をはじめとした「計画チーム」がそれをとりまとめて、数値的な成果を全社に共有しています。
導入にあたっての反発は特に感じませんでした。ロボットで業務を自動化すれば仕事が楽になるというのは、とてもシンプルでわかりやすいメリットです。ただ検討の際、「省人化によって人を切ることになるのでは?」という不安の声はありました。
──「ロボットが人の仕事を奪う」とよく言われますが、実際はどうなのでしょうか。
自動化のメリットは「ロボットが人の仕事を奪う」ではなく、ロボットが仕事をした分だけ「人ができることが増える」だと思っています。つまり、誰でもできるような仕事はロボットに任せて、人は新しいものを作ったり、考えたりすることに時間を割けるようになるのです。
RPAの活用が始まったことで、「この作業も自動化できるのでは」という意見が現場からどんどん上がっています。今まで言われた通りにやるのが当たり前だった業務を、そもそも人がやる必要性はあるのか? もっと生産性を上げられるのでは? と根本的なところから考えるようになった。つまり、一人ひとりの意識が更新されて、それぞれの仕事に対する考え方が変わってきたのです。言ってみれば全員が「経営者マインド」を持つようなものです。
RPAを導入することの一番のメリットは、システムそれ自体ではなく、それによって業務を整理する習慣と未来への変革に充てる時間を意識するようになり、ひいては、社会の変化にいち早く対応して動いていける組織がつくられることだと思っています。
自動車業界に新システムを広めて、業界全体の最適化を目指す!
──今後はRPAをどのように活用していかれる予定ですか。
RPAによる業務効率化は、私たちだけではなく、私たちのお客様方にとっても価値のある仕組みです。今回のノウハウを生かして、今後はRPAを使いたいというお客様に向けて、導入や運営の仕組みづくりをお手伝いしていきます。
──インターゾーン社内だけでなく、社外にもRPAを伝えていくということですか。
実際にRPAベンダーとビジネスパートナーとして提携を結び、代理店となりました。ご要望があればすぐにでも導入をサポートすることができます。今後、自動車業界でもRPAの活用がもっと進めばと考えていますし、同じ業界で、同じシステムを活用していれば、似たような「シナリオ」ができあがります。
つまり、自動車業界の管理に特化したRPAの仕組みを創りあげれば、横展開が可能になるとても価値のある製品になると考えています。
自動車業界の人手不足は本当に深刻です。RPAだけでなく、テクノロジーの力で生産性を上げていく手段を提供して、現場の問題を解決していくことが私たちの願いです。そのためにこれからも新しい仕組みに挑戦するつもりです。
変化をつくる企業で、一緒に働きませんか?
テクノロジーと人の力で自動車業界の課題解決に取り組むインターゾーンでは、日々新しいチャレンジが積極的に行われています。現在、複数の職種にて共に働く仲間を募集中! 少しでも興味を持ってくださった方、まずは一度気軽にお話ししましょう!
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